アシナガバチはハチの種類の一つですが、さらにアシナガバチの中にも幾つかの種類が存在しています。
今回は、アシナガバチの代表的な種類をピックアップして、その特徴や生態についてご紹介していきましょう。
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アシナガバチ属
8種類のアシナガバチが属している
まずはアシナガバチ亜科アシナガバチ属に振り分けられるアシナガバチの種類についてです。この種類は、アシナガバチ属とその名前の属名がつけられていることから、8種類と、多くの種類が属しています。
このアシナガバチ属に所属しているのは、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、トガリフタモンアシナガバチ、コアシナガバチ、キボシアシナガバチ、ヤマトアシナガバチ、タイワンアシナガバチです。
この中で、トガリフタモンアシナガバチは北海道のみ、タイワンアシナガバチは沖縄のさらに南にしか生息していませんが、その他の者については北海道から九州まで広く分布していることが知られています。
よく見かけることができるアシナガバチ属の種類
アシナガバチ属の中で、一番有名な種類であるのが、セグロアシナガバチです。このアシナガバチは、都市部でも多く生息していることから、私たちも普段の生活の中で見かけることができる種類です。
次によく知られるのが、フタモンアシナガバチです。都市部に生息していることは少ないですが、自然があるところや田畑がある場所で生息する傾向があるため、郊外に出た時に見かけることがある種類のアシナガバチです。
一般的な生活圏の中で見ることができるのは、上記のアシナガバチが多いと考えられるでしょう。その他の種類については、生息条件が整っている場所以外では見ることが難しいことが多いです。
チビアシナガバチ属
本州では見ることができない種族
次に紹介するのが、チビアシナガバチ属に含まれるアシナガバチです。ここに属するアシナガバチは、二種類であり、ナンヨウチビアシナガバチとオキナワチビアシナガバチがそれにあたります。
この二種類のアシナガバチは、基本的に本州では見かけることはありません。なぜならば、本土から少し離れた島で生息しているからです。ナンヨウチビアシナガバチは小笠原諸島で、オキナワチビアシナガバチは沖縄の南部で生息が確認されています。
本土から離れた場所に生息していることから、普通に生活をしている中では、これらのアシナガバチと遭遇することは無いと考えられます。
チビアシナガバチ属の特徴
チビアシナガバチ属はどのような特徴を持っているのでしょうか。
特徴の一つとして、まず挙げなければならないのが、その体の大きさです。名前にチビとついていることからもわかるように、他のアシナガバチに比べると小さいです。ナンヨウチビアシナガバチの働き蜂は大きくても15mmほど。オキナワチビアシナガバチとなると10mm程度です。
オキナワチビアシナガバチについては、ミニサイズだけあって刺されたとしても痛みはそれほど感じない程度であるのも可愛らしい特徴です。
ホソアシナガバチ属
山や林の中に生息することが多い
ホソアシナガバチに属するのは、二種類です。ムモンホソアシナガバチとヒメホソアシナガバチがそこに属しています。
これらのアシナガバチは、本州から九州にかけて分布しているため、日本の多くで生息していることがわかります。しかし、里山などの山地や林の中で生息する傾向があるので、都市部で見かけることはあまりありません。
巣は植物の葉の裏などに作ることも多いため、ホソアシナガバチ属が生息しやすい環境に育っている植物の葉の裏を見ると、巣を作っていたり働き蜂が活動をしていたりすることがあります。
ホソアシナガバチの特徴
次に、ホソアシナガバチの特徴についてです。このアシナガバチも、属名にも含まれているように細いのが特徴です。他のアシナガバチに比べて、特に真ん中の胴体の部分が細いことが知られています。
その他のアシナガバチの種類と区別する際には、その模様にも着目すると良いでしょう。ホソアシナガバチの頭の中央、目と目の間には、他のアシナガバチには無い縦の模様があります。
また、性格の面では少し攻撃性が高いのも特徴です。基本的にアシナガバチは穏やかな性格であると知られていますが、不意に巣に近づいたりすると刺されることもあるので注意しておきましょう。
まとめ
アシナガバチの中には三つの属があり、そしてその三つの属の中にも複数の種類が存在しています。それらの種類によって、生息場所も違えば特徴や性質も違うため、同じアシナガバチと言えども個性は様々だと考えていいです。
また、アシナガバチの種類によっては、攻撃性の高い者や生態系を崩す外来種も存在しているため、全ての種類が良いものであるとは言い切れません。その点も意識しておきましょう。